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症例・治療例

当院では患者さんの声を集めていませんので、患者さんの声はありません。

今まで臨床で経験した症例の一部をご紹介したいと思います。

症例の記載の後に、その治療にあたってのポイントとなる当院のコメントを書きました。

治療法は専門的になりますので参考程度に簡単に記載しています。
 

 

症例 67歳 女性 気分がすぐれない。胃部の不快感。動悸。
 

 6年前から気分がすぐれない。買い物や用事以外、家からあまり出たくない。胃部の不快感、動悸もある。スルピリド錠(脳内の神経伝達物質(ドパミン)の受容体を遮断することにより、抑うつ気分、強い不安感・緊張感、意欲の低下などの症状を改善する薬)を服用している。
 週1回で来院2か月ほどしてから気分がましな時が出てくる。半年くらいでましな感じになってきた。10ヵ月くらいしてから動悸、胃部の不快感もなくなる。その後も週1回で来院。1年後にはには症状はほぼ出なくなっている。

 

治療するにあたって
 6年前から発症ということで慢性化していました。東洋医学では「3日の病は1回の治療が必要。人により長くもなり短くもなる」と言われます。悪い時は毎日薬を飲むように毎日の治療が本来望ましいが、現実そうもいかないので、できれば週3回の来院をおすすめしています。最低でも週1回でお願いしています。この方の治療は週1回のなので効果があらわれるのにかなり時間がかかりました。また刺す鍼も嫌がるので、刺さない鍼を使うことになり、それも効果が出るまでに相当な時間がかかる要因となりました。

 ただ週1回の治療を実直に続けられたことが功を奏しました。時間的、経済的な面から週1回からを選ばれる方がいますが、最初は週3回以上で詰めて、少しずつあけていくという方の方が早く良くなっているは言うまでもありません。またよくなるまでの回数もほぼ変わらないか、しっかり詰めて治療される方の方が少ない回数で改善しているようです。見方を変えれば週1回でもあきらめずに続けることが大切であるともいえます。

 

治療法
 腎経、心経、胃経を中心に治療を行う。

症例 29歳 女性 不定愁訴、不明熱、体のだるさ

 

 3~4ヵ月前ほどから疲れやすくなり、体がだるくなるようになった。夕方4時ころから発熱があり、微熱が続く。寝汗がひどく、夜中に目が覚める。立ちくらみ、呼吸が浅い、みぞおちのつかえ、便秘と下痢を繰り返す。キャリアアップのために夜間に学校に通っているが、講義中しんどくて起きていられなかった。病院で結核や肝炎も疑われたが検査をしても異状は見つからなかった。漢方薬、鍼灸治療も受けたが一向に変化がなかった。紹介を受け当院に来院。

 初回の治療で次の日は楽になるが1日くらいしかもたなかった。しかし今までいろいろな治療を受けても、このようなことは今までなかった。週3回で治療を1ヵ月ほど治療を続けると、寝汗、しんどさがましになってきた。熱が下がることが多くなってきた。授業中も起きられるようになった。

 3ヵ月後、無事に資格を取得。体調の波は多少あるが以前のように体がだるくてどうしようもないということはなくなった。週1回で治療を継続している。

 

治療するにあたって

 病院で原因不明と言われているが、かなり寝汗もひどく、体力、生理物質の消耗が激しく、かなり深刻な状況でした。よくなるのに時間がかかると判断しました。夜間に学校に通うだけあって、頑張り屋さんですが、無理をしすぎたようでした。ただ初回の治療後から楽になるという変化がみられ、手ごたえがありました。

 体力、生理物質の消耗が激しかったですが、若さと同時にまじめに週3回来院してくださりました。治したいというしっかりしたお気持ちもあり、行動にも表れていました。このことが治療と相まって、いい結果を出せた大きな要因です。病院で原因不明の体のだるさ、微熱が続いた症例ですが、現代医学で原因不明で治療方法がない場合でも、東洋医学(中国古代医学)は診断即治療となりますので治療方法が導き出せます。

 

治療法

 肝の疲れが無理もあって、根本である腎まで及んでいました。肝胆経、腎経を中心として治療を行いました。陰液を補う治療を同時に行いました。

 

症例 66歳 女性 自律神経失調症。動悸。首肩の凝りがある。
 

 3〜4年前から家庭の心配事があり、動悸、首肩、肩甲間部の凝りひどくなった。医師からは「高血圧はあるが、特に心臓に問題はない。自律神経失調症」と言われた。安定剤、睡眠薬を服用している。そのほかにも耳鳴、喉のつかえ、夢をよく見るという症状がある。
週2回で来院し、2週間後に動悸がかなりましになった。1ヵ月後には首肩、肩甲間部の凝りもましになり、その他の症状も緩和。その後週1回で治療を継続。

 

治療するにあたって
 東洋医学では体を気・血・水が流れていると考えます。ストレスがあると気の流れが滞りやすくなります。気は物質を動かすエネルギーの役割があり、気が滞ると血・水も流れなくなります。血や水が滞ると気が滞るよりも重症となり、慢性病、難病となります。この方は週3回は無理ということで、週2回で治療を行いましたが、血・水の滞りは軽く、気の滞りが大きかったため、週2回の治療でかなり早く症状が改善しました。何よりも週2回と決めたらきちんと来院されたことが症状の改善につながりました。

 

治療法
 肝胆経、心経を中止に治療を行う。軽く水の滞りもさばく。

 

 

症例 32歳 男性  軽度うつ症。会社に行くのが不安。

 

 疲れやすく。仕事に行くのが不安である。現在会社は休んでいる。手が震える。食後かなり眠たくなる。首肩の凝り。動悸。目の疲れ。あくび、ため息がよく出る。週3回で2ヵ月治療、少し気分が良くなってきたので、週2回で治療で1ヵ月治療を行う。さらに週1回で1ヶ月治療を行う。症状が改善、会社に復帰し、隔週で治療を続ける。

 

治療するにあたって
 非常にまじめな方で、会社戻って復帰したいという強い思いがありました。元来のまじめさと強い思いもあり、きちんと週3回で治療を続けてくださりました。途中で急にやめることもなく少しづつ間隔をあけて様子をみてくださり、会社に無事復帰することができました。この患者様を治療した時はまだ開院当初であり、今から見ると腕はまだまだでした。しかし患者様の強い思いと、
まじめに来院してくださることが相まって、治療も功を奏しました。治療だけではなく、患者様の治したいという思いとまじめにきちんと来院してくださることがとても大切であると感じる症例です。

 

治療
 肝経、腎経、心経を中心に治療を行う。気滞が続き、化火してるので、気の滞りを解消し、火を冷ます治療を行う。

 

 

症例 67歳 女性  かかとの痛み。
 

 1か月半前から右足かかとが痛むようになった。歩くときにかかとをつけるのが苦痛である。整形外科でレントゲンを撮った結果、骨棘(骨に加えられた何らかの刺激に反応して骨組織が増殖し、棘状(とげじょう)になったもの)が出ているため痛むと言われた。痛み止めをもらっている。手術をしないと痛みは止まらないかもしれないと言われている。
週2回で来院。3回目くらいからかかとの痛みましになってきた。1ヵ月後かなり楽になった。週1回で来院し、2ヵ月後には長時間歩く以外はましになっている。4ヵ月後に痛みは完全になくなった。

 

治療するにあたって

 

 東洋医学ではかかとは腎経がめぐり、腎の弱りでかかとに痛みが出ます。現代医学ではよく骨棘が原因で手術を勧められることもありますが、当院の経験上鍼治療で解決することも多いです。この方の場合は週2回で治療を始められ、1ヵ月後にはかなり改善しました。ここで週1回に減らしたため、その後は改善に時間がかかったように思います。時間的、経済的な面から減らしたいのは分かるのですが、少し頑張って治療をしていただく方が結果として患者様のためになると感じます。
 

治療

 腎経を中心に治療。

症例 62歳 女性 骨折後の痛み。五十肩

 

 昨年かかとを骨折し、手術を行った。その後足が痛む。半年ほど前から肩も痛み、疼く。五十肩と診断されている。
 週2回で来院。3回目で肩の疼きが9割ましになる。4回目で足の痛みも軽減してきた。その後週1回で来院し3ヵ月後に足の調子がかなり良くなってきた。
週1回で半年ほど治療する。その後隔週で予防治療を行う。

 

治療するにあたって
 四十肩・五十肩の疼き、夜間痛は鍼治療で早く取れることが多いです。ただ慢性的な肩関節の動きの悪さは時間がかかります。術後の原因不明の痛みも鍼治療で緩和することが良くあります。この方の場合5回目くらいから治療回数を減らされましたが、もう少し頑張って詰めて治療した方が早く良くなったように思えます。経験的に最初はしっかり詰めた方が治りがいいです。だらだら治療すると治りもだらだらします。

 しかしこの方はかなり良くなった後も予防でお手入れをしているのは、とても良いことです。のど元過ぎれば熱さ忘れるではなく、しっかり体をお手入れすることがその後の予後を決定します。

 

治療
 腎経、肺経を中心に治療。瘀血の処理も行う。


 

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