東洋医学の原点に基づいた治療を
行います
西洋医学と東洋医学の違い、漢方薬と鍼灸の違い、整骨院と鍼灸院の違い、民間療法と鍼灸の違いを知ることが大切ですと他の所(「長い間苦しみ、真剣に治したい方の治療を行います」)で書きました。
同じように鍼灸治療の違いも知ることも大切です。
鍼灸治療も驚くほどたくさんの流派があります。
当院では中国古典医学に基づいた治療をしています。
それは何故なのか、どのように他流派と異なるのかをを述べていきたいと思います。
プロフィールのところでも述べていますが、鍼灸学校を卒業したとき、右も左も分からない状態でした。
鍼灸学校では、安全な鍼の打ち方をおしえてくれますが、実践で使える臨床、治療は教えてくれません。
そこからは自ら学び、技術を磨いていかなくてはなりません。
本当に様々な流派を学びました。
講習会や治療の見学にお金もかなり使いました。
見学を許していただける治療院は様々なところに伺いました。
中国や韓国の病院の治療も見学しました。
このように東洋医学の神髄を求めている中、K先生の出会いで当院の技術は飛躍的に変化しました。
それまでに学んだ技術や知識で当院がはなかなか効果が出せなかった疾病をK先生は短期間で効果を出してしまうのです。
なぜそのような治療ができるのかを尋ねると
「古典。『素問』『霊枢』だ。」
と言われました。
『素問』『霊枢』とは現存する世界で最も古い医学文献です。
中国伝統医学はすべてこの文献を基に成り立っています。
鍼灸には様々な流派がありますが、結局この『素問』『霊枢』の亜流なのです。
○○流というあたかも自分が発見したような名前を付けても、先哲が行っていたことのパクリ、よく言えばアレンジに過ぎないのです。
漢方薬もこの『素問』『霊枢』を原点としていますが、この『素問』『霊枢』の治療内容のほとんどは鍼灸治療です。
だから中国伝統医学の原点はある意味鍼灸であるともいえます。
このように『素問』『霊枢』の古典が原点となりますので、『素問』『霊枢』に帰ることが最も理にかなっているのです。
そのようなわけで当院は中国古典医学に基づいた治療をしているのです。
しかしこの古典を読むのは簡単ではありません。
漢文で書いてあるだけでなく、2000年以上昔の文献です。
専門家でないと読めません。
当院は幸運なことに、K先生の師匠が小寺敏子先生という『素問』『霊枢』を解釈する大家でした。
小寺先生というとこの業界で知らない人はいないでしょう。
知らないとすれば、何も勉強していない人ですね。
だだし読めるだけではいけません。
この文献を解釈し、臨床に応用できなければなりません。
K先生はこのセンスがありました。
よく古典をベースに治療していますと言っても、臨床に応用できる人が非常に少ないです。
K先生と出会う前にそのような治療も見てきましたから、それが難しいことが良く理解できるのです。
では当院の行なっている中国古典鍼灸とは他とどのように違うのしょうか。
まず、診断が古典に基づいているので少し異なります。
五臓六腑のアンバランスを診断し、その臓腑と関連する経絡の異常を判断します。
何よりも違うのはツボの取り方と、鍼の使い方です。
古典では局所の治療以上に、手足のツボの組み合わせを大切にします。
手足には要穴という五臓六腑を調整するツボがあります。
ツボを選んだら次にそのツボにどのような刺激を行うかも重要です。
鍼灸院によっては怖がらせないために浅い鍼しかしないところがありますが、これは古典のやり方ではありません。
鍼の深さや方向が効果を左右します。
浅い鍼ばかりでは効果は期待できません。
また多くの鍼灸院は置鍼と言って鍼を刺して数十分おいたままにしますが、これでは鍼灸の効果を発揮できません。
患者様は長く置いてもらえるほど、やってもらった感があり喜んでいますが、実は効果は出ないんですね。
術者にとってはほったらかしにできるので楽できて、患者様も納得しているので、おいしいんですね。
でも本当のことを言うと鍼をどのように動かすかが効果を左右するのです。
鍼を動かすとなると、ほったらかしにはできないので、手間がかかります。
置鍼では二、三人治療できるところ、鍼を動かすとなると一人しかできません。
表面だけを見ていると時間が短くなるか、お値段が高くなるとしか見えないですが、
中身をしっかり見る目をつけて下さい。
結局はそれが患者様の健康を左右します。
当院の経験からだけでなく、歴史的、技術から見ても、『素問』『霊枢』に基づいた治療を行うことは理にかなっています。
そのようなわけで当院は中国古典鍼灸を行っています。
皆様のお役に立つことができればうれしく存じます。