養生法・総論(中級編)
養生が主、治療は補い
健康を維持していくには、まず日頃の養生を主体としてください。
治療は補いです。
しっかりした養生があってこそ、治療が意味をなします。
元々当院は多少の不摂生があっても、治療でなんとかしようといううぬぼれがありました。
食事や運動など健康には気をつけているつもりでしたが、欲と過労で大きく体調を崩した事により、この考え方は結局皆様のお役に立っていないことにきづきました。
養生が中途半端であれば、治療の刺激量はどんどん強くなる一方であり、最終的には限界がきて、健康を損ないます。
これでは意味がありません。
当院では急いで症状をとろうという治療はいたしません。
皆様が主体的に養生を行うことにより、徐々に健康を回復し、維持できることを大切にしています。
治療もすぐに症状を取ることよりも、体全体を考えて、時間をかけて持ち上げていく治療を行います。
それでも治療は補いです。主体性は皆様の養生にあります。
養生はトータルに考えましょう
操体法を考案した医師の橋本敬三先生は、健康を維持するための要素を4つ挙げています。
・食
・息
・動
・想
食は食事、息は呼吸、動は動作、想は精神です。
中国伝統医学では病気の原因を次のようにあげています。
・七情。喜怒哀楽の過剰
・六淫(風・寒・暑・湿・燥・火、熱)。強い風に当たる、冷やす、暑すぎるところに長くいるなど、これらの強い邪気に当たると病気を起こす。
・疫癘、感染症。感染症が流行っているところに行くと病気になる。
・飲食不節。食べ過ぎ飲み過ぎ。食事のバランスが悪い。添加物など、食が病をもたらす。
・房事過多、セックスの過剰。
・労逸、働きすぎ、過労、ストレス過剰、逆に怠けすぎて体を動かさない。
・怪我や害獣に噛まれる。
・瘀血と痰飲。血液の滞りと体の水分、リンパの滞り。
これらの要素はどれも健康維持に必要不可欠で、互いに深く関連し合っています。
食事だけ、運動だけ、ストレス管理だけ、治療だけというように、健康はこれだけやっていれば大丈夫というものではなく、トータルなものです。
一つ欠けても、大病を起こすこともあります。
当院は食、運動、治療には気をつけていましたが、欲と過労の過ちで大きく健康を崩した経験があります。
この反省から治療より養生、トータルに養生を行うことが、結局は皆のためになると気づきました。
ただいきなりすべてを改善するのはなかなか難しいかもしれませんので、できるところから改善していき、
最終的にはトータルに考えられるようになって頂きたいと思います。